地図へ移動
TOP記事一覧大川村へ移住した鍼灸師の挑戦!地域おこし協力隊から広がる働き方

大川村へ移住した鍼灸師の挑戦!地域おこし協力隊から広がる働き方

神奈川と高知を行き来するなかで出会った移住先は、人口約350 人の小さな村・大川村。地域おこし協力隊として村の人との信頼関係を丁寧に育みながら、鍼灸の仕事も続ける“二拠点生活”を実現しています。
好きな場所で、自分らしく働き、生きる。そのヒントがここにあります。

杉山 祥(すぎやま さちお)さん / 2023年4月 大川村移住

大川村へ移住したきっかけ


―――移住しようと思ったきっかけは、どんなことだったんですか?

神奈川県で個人の鍼灸師として働いていました。元々東京のチームでよさこいを踊っていたこともあり、高知には縁あって友人や知人も多く、出張で訪れることもよくありました。出張のときはプライベートも兼ねて長めに滞在し、西から東まで観光も楽しんでいましたね。そんな感じに神奈川と高知を行き来するうちに「いつか住んでみたいな」と思うようになったんです。

そのことを知人に話したところ、地域おこし協力隊の話題が出てきて。制度自体は以前から知っていましたが、僕は慎重な性格なので、すぐに挑戦しようとは考えていませんでした。

でも、高知の方と話すなかで改めて気になり検索してみたら、たまたまインターンのことが紹介されたページを見つけたんです。ちょうど2、3日後に説明会があり、1週間後には締切という、タイミングがぴったりすぎて。ダメもとで応募してみたところ、選考していただけたという流れです。


―――実際インターンを経験して大川村にしようと思ったんですか?

インターンで大川村に来てからは、気持ちとしては7割くらい移住を決めていました。ちょうど神奈川での仕事も区切りがよく、移動するにはいいタイミングだったんです。

高知県内のほかの協力隊の募集も見てみましたが、当時出ていた募集要項は、どれも自分のやりたいこととは少し違うなぁと。それに、高知市で続けていた鍼灸の仕事を今後も続けたいという前提があったので、遠すぎずというアクセスを考えても、大川村がちょうどいいなと思ったんです。

もちろん、移住を決めるにあたってはいろんな人に相談もしましたが、最終的には「とりあえずやってみよう」という気持ちで決断しましたね。

“自分を知ってもらう”から始めた協力隊の仕事


―――今はどんな仕事をされていますか?

平日は大川村で協力隊として活動し、週末は高知市内で鍼灸師として働く、いわゆる“二拠点生活”のような感じで過ごしています。

協力隊員としてのミッションを決める際には、保健福祉関係にするか悩みましたが、鍼灸師の仕事を続けたかったこともあり、役場の方と相談して、村の課題に向き合う「集落支援」の分野に決めました。大川村には10以上のミッションがあって、自分の興味やライフスタイルに合わせて選べるのが、すごく柔軟でいいなと思います。

協力隊に就任してすぐの頃は、何から始めていいかわからない時期もありました。村のために必要な取り組みがあったとしても、僕の性格上、すでに住んでいる方々の考えを無理に変えたくなかったんです。一人ひとりの考えを尊重しながら、より良い方法を探りたいと思ったので、まずは「自分という人間を知ってもらうこと」から始めました。

自己紹介カードを作って集落の集まりに顔を出したり、村の駅で店番をしたりもしました。そこは、村の皆さんが必ず買い物に来る場所なので、自然に顔を覚えてもらえるんです。

そうした草の根的な活動を1年間続けて、今では、地域の方への介護予防体操や、集落活動センター「結いの里」の業務サポート、お試し滞在住宅の整備など、さまざまな業務に取り組むようになりました。

施術は“関係性”があってこそ


―――大川村でも鍼灸の仕事はしているんですか?

大川村でも月に3回、出張で鍼灸を行っています。
実は移住した当初、村の方から鍼灸の提案もあったんですが、そのときはお断りしました。

というのも、もし自分が施術を受ける側だったら、どこから来たのか、どんな人なのかもわからない相手にはお願いしづらいと思ったからです。ある程度、挨拶や日常会話ができる関係性が築けないことには、ここで鍼灸をやるべきではないなと。

今現在は、村とも村民の方とも関係性を築けてきたので、少しずつですが施術を提供するようになりました。一人ひとりときちんと向き合って、お話を聞きながら施術することを大切にしたい。場所が変わろうとも、その気持ちを一番大切にしています。

移住で広がった、自分の可能性と挑戦する気持ち


―――移住する前と後とでは、心境の変化はどうですか?

そうですね。以前に比べると考えすぎなくはなったかもしれません。「どうにかなるかな、とりあえずやってみよー!」みたいな感じ。これって高知の人特有なのかな(笑)

協力隊の人たちって各地からきている人が多いので、今まで以上にいろんなの方に出会って、いろんな考えに触れたからっていうのも一つかと思います。

移住して思うのは、やろうと思えば好きなことができるということ。ただ、それって自分がやらなきゃ、動かなきゃ出来ない。人任せには出来ないんですよね。

責任を持って自分が動けばなんだって挑戦できる。元々高知と神奈川を行き来していましたが、好きな場所に移住をして、自分の可能性がさらに広がったんじゃないかな。

\ 無料で相談する! /

メールアイコン お問い合わせはこちら