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人生が動き出した、大豊町でのわたしらしい暮らし

たまたま訪れた場所で、「ここで暮らしてみたい」と思ったことはありますか?
「ただのO L だったんですけど」と話し始める前田さんは、二段階移住を経て今大豊町へ。
移住のきっかけも、次の一歩も、「なんとなく」から始まっていい――。
そう思わせてくれる、軽やかで等身大の暮らしのストーリーです。

前田 美穂(まえだ みほ)さん / 2022年 大豊町移住

高知市から始まった新生活


―――高知へ移住されることになった背景を教えてください。

生まれも育ちも、働いていたのもずっと地元の大阪で、ごく普通のOLとして暮らしていました。仕事自体は好きだったんですけど…。

きっかけは、2019年に仲のいい友人が高知に引っ越したこと。久しぶりにその友人から連絡が来たのをきっかけに、高知へ遊びに行ったんです。有給をとって、2泊3日の旅行でした。

そのときに、高知で過ごした時間の流れというか、空気感がすごく心地よくて。大阪に戻って、仕事に行った2日後には、「高知に引っ越すんで、会社辞めます」って伝えてました。

もともと、実は“移住したい”って気持ちはまったくなかったんです。高知にも、それまで一度くらいしか来たことなかったし。ただ、「引っ越しはしたいな」ってずっと思ってて、不動産サイトはよく見てたんですけど、大阪ってワンルームでも10万とかしてて…。

そんなときに、高知に遊びに行ったのもあって、友達から“家賃4万円の一軒家”のURLが送られてきたんですよ。もう、びっくりして。「えっ!?」ってなって。それを見た瞬間「あ、高知に引っ越そう」って。いいこと思いついた!って感覚でしたね。

大豊町へ二段階移住を


―――その後、さらに大豊町に二段階移住すること人あったんですよね?

そうそう!最初に移住したのは、高知市内なんです。高知移住のきっかけになった友人が始めたお店の近くに家を借りて、その店でバイトしたり、趣味だった刺繍を教える仕事を紹介してもらったりして。いろんなアルバイトを掛け持ちしながら暮らしてました。

大阪にいた頃は、会社員でちゃんとフルタイムで働いていたけど、高知に来てからは好きなことをやってみました。自営業の人も多くて、正社員っていう選択肢があまり身近じゃなかったんですよね。

そんなふうに暮らしてるうちに、気づけば3年経ってて。

ふと思ったんです、「あれ、高知って歩いてどこでも行けるし、高速バスで大阪にも帰れるし…都会と変わらないな」って。「せっかく地方に来たから、もっと田舎に住みたいな」って気持ちが強くなって。

ちょうどその頃、大豊町に住んでる友人が「家賃5,000円で住んでるよ」って話してくれて。気になって、ちょっと遊びに行ってみたんです。景色も空気もすごくよくて、「ここ、いいな~」って思ったけど、そのときはまだ車を持ってなかったから、「ちょっとハードル高いかな」って。

でもその友人に「とりあえず空き家バンク登録してみたら?」って言われて、軽い気持ちで登録したら…初めての物件内覧で気にいる家が見つかりました。

家賃1万円。内見して、その場で即決でしたね。タイミングよく、大豊町役場で事務の欠員募集が出てて、そこにも応募して採用されて。流れるように大豊での暮らしがスタートしました。

役場職員と食堂経営の2 刀流


―――今はどんな仕事をされていますか?

大豊町の役場で働き始めて、今年で3年目になります。1年目は鳥獣対策、2年目から観光や空き家調査など移住に関する業務を担当しています。

その傍らで、町内の標高の高い場所にあるログハウスで、週末だけ「みずがめ食堂」という食堂を開いています。もともと飲食店の経験があるわけじゃないんですけど、友人が遊びに来たときに紹介できるお店が大豊町にはあんまりなくて…。それがずっと引っかかっていて、知り合いの後押しもあり「やってみようかな!」って始めた感じです。

やりたいことが身近に感じる大豊町での暮らし


移住前の仕事も、それ自体は嫌いじゃなかったんです。でも役職がついたことで、面接や後輩のボーナス査定を任されるようになって…。なんか違うなぁって感じることが増えていきました。今思えば、「自分の仕事だけに集中していたい」っていう気持ちと、ずっと葛藤していたように思います。

大豊に来てからは、“わな猟”の資格を取ったり、チェーンソーを扱えるようになったり、自分が興味のあることを一つずつ、自分の“生きる力”に変えていけている実感があります。今後は、田んぼ作りにも挑戦したいし、重機の資格を取って林業もやってみたいと思ってるんです。

普通に暮らしていたら、なかなか思いつかないことだと思うし、簡単な仕事じゃない。でもここには、それをやっている人がすぐ近くにいるから、「教えてください!」ってお願いできる環境がある。役場で働いていると、地域の方とのつながりもたくさんできるので、やりたいことがどんどん広がっていきます。

大豊に来て「自分の人生が、ようやく始まった」って感覚があるんです。根を張る場所ができたというか、都会にいた頃よりも“自分”がはっきりしてきた気がします。なんでもできる気がするし、可能性を信じられるようになった。

大阪時代の私に会えるなら、「この先、もっと楽しいことが待ってるよ!」って声をかけたいですね。


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