役場職員として働いた後、星野リゾートで8年間の経験を積んだ平賀さん。
故郷・大川村への思いを胸に帰郷し、給食センターの立ち上げから土佐はちきん地鶏事業まで、村の中核を担う仕事に奔走してきました。
外で得た経験を活かしながら、同級生たちとともに村の未来を描いています。

平賀 洋司(ひらが ようじ)さん / 2015年 大川村 Uターン
故郷を離れて得た学び、そして帰郷へ
―――大川村の役場を辞めて、星野リゾートに転職されたきっかけは何だったんですか?
役場の産業建設課で、林業や農業の担当をしていました。
村の産業をどうするかというのがずっと心のどこかにあって。
大川村は山林面積が9割で、何か新しい産業を起こしていく必要性を感じていました。
ただ、自分は高校卒業してから役場にそのまま入っているので、その課題を何とかしたいと思っても、自分は高校卒業してから役場にそのまま入っているので、民間事業のこと、何も経験がないし、そもそもがわからなかったんです。
それに、このまま地元だけで終わるのではなく、外の世界も見てみたいという思いもあって。
星野リゾートという会社を調べたらすごく面白そうだったので、思い切って応募してみたら採用されました。
27、8歳くらいの時でしたね。
星野リゾートでは、玉造温泉と熱海のリゾートホテル、それぞれ4年ずつ、合計8年ほど働きました。
旅館の立ち上げから関わらせてもらって、オペレーションの改善など、主体的に取り組ませてもらえる環境でした。
常にチームで働くという仕事で、工程を組み立てたり、人員配置を考えたり。
そういう経験はすごく勉強になりましたね。
帰郷のきっかけは、村長が電話をくださったことでした。
「こんな仕事もあるので帰ってこないか」という話で。
人口が減少していく中で、自分が役立てるタイミングを逃したくないという思いもあって、帰ってくることを決めました。
帰郷直後から始まった挑戦の日々
―――実際に大川村に帰ってきて、どんな仕事に携わったんですか?
最初は集落支援員という立場で、集落活動センターを立ち上げる仕事と、学校給食を村で始めるための給食チームの立ち上げを任されました。11月に帰郷して、翌年4月からの給食開始に向けて準備を進めました。
スタッフが集まったのが1月で、そこから3ヶ月で立ち上げという短期間でしたが、近隣の給食センターで学びながら、なんとか形にすることができました。
4月から学校と保育園の給食を開始し、夏休み以降は社協のデイサービスも含めて、子どもからお年寄りまで、大川村の食材を使った給食を提供する体制ができました。
それに並行して、集落活動センター「結いの里」の村の駅機能の立ち上げも進めていきましたね。
物販や軽食の提供など、地域の拠点となる場所づくりです。
その後、結いの里の会長と、ふるさと公社の執行理事という立場を兼任することになりました。
ふるさと公社は、ごみ収集や留学生の支援、宿泊事業など、村の様々な事業を担っている組織です。
複数の事業を見ながら、それぞれの運営を進めていく日々でした。
土佐はちきん地鶏事業での学び
―――土佐はちきん地鶏の事業にも関わることになったんですね?
はい。村として力を入れている土佐はちきん地鶏の事業で、食鳥処理から販売までを一元化する取り組みが村で始まりました。ふるさと公社がその食鳥処理を担当することになり、私も関わることになったんです。
食鳥処理は専門性の高い仕事で、当初は試行錯誤の連続でした。
事業としての体制づくりから始めて、途中で外注する期間を経て、2年前から専任で取り組むようになりました。
現在はベトナムからスタッフに来てもらい、食鳥処理、加工、営業という流れで事業を進めています。
この事業に取り組むなかで、星野リゾートで学んだオペレーション構築の経験が活きていると感じています。
工程を組み立て、効率的な流れを作っていく。接客よりも、むしろそういう部分が自分の得意分野だったなと。
今日に至るまでに失敗は多いですが、試行錯誤しながらも、少しずつ形になってきています。
今は工場の管理や会社の経営面も見ながら、販路拡大にも取り組んでいます。
土佐はちきん地鶏を多くの人に知ってもらい、村の産業として育てていきたいと思っています。
同級生たちとともに、これからの村へ
―――大川村に帰ってきた同級生の方々との関わりについて教えてください
同級生が帰ってきて活躍しているのは、本当に嬉しいことです。
ゆり農家の山中君、結いの里で働いている山中 珠里さん。もう一人、福島君も村に住んでいて繋がりがあります。
それぞれが村で頑張っている姿を見ると、励みになりますね。
特に山中 珠里さんとは、今後さらに連携できる可能性があると思っています。
彼女は現在、ふるさと公社の非常勤の理事として、公社の経営を一緒に考える立場にもなってくれています。
結いの里での経験も豊富で、いろいろな面で協力できることがあるんじゃないかなと。
今はそれぞれ違うところに配属されていて、僕が決められない部分ではあるんですが、何の壁もなくできるんだったら、彼女には土佐はちきん地鶏の営業をやってもらいたい。多分きっとお客さんに気に入られる方だと思いますから。
帰ってきた同級生同士がさらに連携して、村の発展に繋がっていく。
そういう未来が描けたらいいなと思っています。
星野リゾートで学んだこと、役場で経験したこと、そして帰郷してから携わってきた様々な仕事。
すべてが今につながっていて、これからの村のために活かしていければと考えています。





